林田学「オンライン医療・代替医療ビジネスの戦略法務」をおススメします。

1999年に、化学工業日報社から林田学さんが「オンライン医療・代替医療ビジネスの戦略法務」という本を出しています。

2009年に厚生労働省は代替医療の研究班を立ち上げました。それまでは厚生労働省は代替医療には否定的な立場でした。
国立ガンセンターを訪ねるガン患者の6割近くが何かの健康食品を試しているのに国が健康食品は役に立たないという
立場に立っていたためガンセンターの医師は何の指導もできないとうねじれた状況がずっと続いていたのです。
林田学さんのこの本はそんな時代に代替医療を進めるプレーヤーのために書かれた本で、林田学さんの先見の明には驚かされました。
林田学さんはインタビューに答えてこんなことを語っています。
「−厚生省は数種のアドバルーンをあげているが、効果はあらわれているか。
林田 厚生省が最初に打ち出す施策は正しいが、すべて骨抜きに終わっている。
例えば、一般用H2 ブロッカーに関しては、最長6年の審査機関を経て承認に至ったが、外的圧力によって押しつぶされた感が強い。
また医薬品販売の規制緩和についても、いつまで経っても動きが見られず、コンビニエンスストアや関連企業では当初の
盛り上がりはなくなり、沈滞ムードに陥ってしまっている。素晴らしい規制緩和を打ち出したとしても、
その措置に俊敏さを欠いているがため効果を半減させてしまっている。
 −医療費抑制の面から規制緩和を推進するためには何が必要か。
林田 まずは医療機関の営利行為を認めるべき。現在、医療機関の営利行為は医療法によって禁止されているが、
医療費抑制策が叫ばれる中、現行薬価制度の見直しが検討されており、医療機関は薬価差益に依存した収益構造の見直しを
迫られている。そこで今後、医療機関の経営安定化に期待されているのが、代替医療といえる。医薬品による治療以外に、
医薬に準ずるニュートリション(いわゆる栄養補助食品)やアユルベーダー(インド由来の芳香療法)などの取扱いを認め、
収益主体を医薬品以外の物に移管する枠を設けるべき。米国では医療機関に営利行為を認めているため、代替医療が進んでいる。
規制緩和の推進には、医療機関が医薬品を手放すよう働きかけなければならない。
そうしなければ、スイッチOTC薬承認の推進も図られない。

 −代替医療による生活者のメリットは何か。
林田 代替医療は保険医療ではないため、全額自己負担となる。このため、患者の自己負担は増加するが、
”薬漬け“といった問題は解消される。

 −実際、代替医療に取り組む医療機関は増えているのか。
林田 医療機関は薬価差益に依存した経営を見直すようになってきている。例えば、医師法によって医療機関の営利行為は
禁止されているが、医師が患者にニュートリションなどの使用を推奨する行為は全く違反ではない。このため、医療機関という
経営基盤とは別に新しく経営の異なるニュートリションの販売会社を設立し、医師が患者にニュートリションについての適切な
アドバイスをした後、その取扱店を紹介するというケースが増えてきている。こうした事例は全国で10数件ほど存在し、
今後も増えていくだろう。

 −医薬品販売の規制緩和は薬局等の経営に大きな影響を与える。こうした規制緩和に対し、薬局は何をすべきか。
林田 薬局は新しい分野を創造しなければならない。そのひとつが、ニュートリションの分野といえる。現在、
ニュートリションの説明販売は禁止されているが、薬剤師に関しては説明販売を認めるなど特権を与えるべき。
米国のニュートリションショップでは、ニュートリションについて専門知識を身につけた従業員がカウンセリングした上で商品を
販売している。このため、米国民は生活習慣病の予防を目的に日常からニュートリションを使用している。これを背景に、
ニュートリションショップ・チェーン最大手のGNCは、ドラッグストア・チェーン大手のウォールグリーンの業績を上回るほどに
成長している。日本でも健康食品の規制緩和が進んでいる。健康食品が自由化されれば、こうした外食系企業の参入も
脅威となることは容易に想像できる。薬剤師は自分たちの領域として、早急にニュートリションの分野を確立していくことが
求められている。」

林田学さんと共に代替医療の健全な発展を祈りたいと思います。